骨の髄までフラメンコで
伝統への敬意とオリジナリティがともにあり、
観るたびに驚かされ、興奮させられる。
3月にみたヘレス・フェスティバルでの公演があまりによかったので
今回の新作上演も期待していたのだが。
マエストランサ劇場は超満員。
幕があくとそこはバー。
奥にカウンター。
右手に舞台があり、ピアノとベース、パーカッションのトリオと
二人のキューバ風美女が並ぶ。
ヒターノに人気のボレロ歌手、モンチョのボレロではじまった。
キューバに行ったアンダルシアのヒターノたち、という設定で
ボレロが終わると旅行鞄をさげたファルキート御一行が客席を通って舞台にあがる。
キューバ人たちとの会話があって、ー私は前の方だったのできこえたが、客席全体にはきこえないだろう、僕たちの音楽をみせるよ、という展開で、ファルキートのソレアになる。
©Luis Castilla/Bienal de Flamenco
ソレアはファルーコ家のお家芸。
この日も低く跳躍しながらの回転とか、思わずオレ!のでてしまう瞬間もあったのだが。
4人のバイラオーラによる白い大きなアバニコでのグアヒーラにもからむが
©Luis Castilla/Bienal de Flamenco
それはやがてルンバ/タンゴからキューバへと流れ
パコ・デ・ルシアのグループのベーシスト、アライン・ペレスが歌うグアンタナメラへ。
かと思うとファルキートがエレアコ、すなわちアンプにつないだアコーステッィクギターを手に、キューバ組のインディア・マルティネスを伴奏。
ギターがうまいことも、作詞作曲もこなすこともしっていましたが。。。
その彼女をスペイン組に紹介し、女たちに冷たくされたところではじまるタラント。
サパテアードでぐいぐいおしていき、歌がはじまると、あれ?
ファルキートはどこ?
女の子、一人ずつと、マントンやバストン、バタ・デ・コーラなどをつかって踊るセビジャーナスには、バタをとびこえるところなど、オレ!もないではなかったのですが、最後は再びアライン・ペレスの歌。。。
いや、このあときっとブレリアのソロとかみせてくれるにちがいない、との願いもむなしく、これでおしまい。
ご挨拶のあとにはじまったフィン・デ・フィエスタでも、願いは叶わず。。。
これまで映画「栄光の婚礼」は別として、
基本的に舞台では、物語もなにもない、素のフラメンコだけをみせてきたファルキートが、
フラメンコプラスαの作品をつくろうとした今回の試み、
残念ながら、彼の踊りを楽しみに観に来た観客にとっては
満足のいくものとはならなかった。
構成、舞台上での人物の動きの整理、照明。。。
すべて不満が残る。演出家など、助言してくれる人が必要だったのだろう。
彼の魅力を十二分に発揮できるように助けてくれる人が。
なんだか肩すかし食らった気分。
彼の踊りがもっと観たかった!
次回はぜひ、またあのすごい踊りでわたしたちを満足させてくれることを祈ってやまない。
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