などといってはほかのフラメンコたちに失礼だが
そう言いたくなるほど、ラファエル・カンパージョは
フラメンコのエッセンスにあふれたものだった。
粋で、きっぷがよくて、男らしくて、精悍で、
躍動感があって、華やかでかつ渋く、
いやいや、本当に素晴らしいものだった。
ラファエルがイスラエル・ガルバン、ハビエル・バロンとともに
マノロ・ソレールの作品「ポル・アキ・テ・キエロ・ベール」に出演したのは
1996年のビエナルだった。
あれから14年。
2003年に亡くなったソレールへのオマージュとしてのこの作品、
ラファエルのソレールへの思いにあふれたもので
ソレールを知る者たちにとっては涙なしには観られなかったにちがいない。
幕があくとビデオ
在りし日のソレールがソレアを踊る
フラメンコの粋を極めた、男っぽく、リズムにあふれるその踊り。
ラファエルのサパテアード
そしてカホンを叩く
そのカホンの叩き方、肩を下げ、下をむいて叩くその叩き方がソレールそのもの。
カホンに座ったラファエルはそのままサパテアードをはじめる
やがてカホン(ホセ・カラスコ)とパーカッションの伴奏がはじまる。
早いテンポではじまったシギリージャがやがて通常のテンポとなっていく。
ラファエルの、姿のよさ、そのかたちの美しさは特筆すべきものだ。
回転のときの身体の使い方も絶品。
切れがよく、ひたすら男らしい。
サパテアードも見事だが、上体の動きも決しておろそかにしない。
フアン・ホセ・アマドールが歌い上げるマルティネーテを
歌と会話するがごとく踊っていく。
©Luis Castilla/Bienal de Flamenco
ソレールその人と同じ姿勢で腕を前に、コンパスを刻み始める。
涙が止まらなかったのは私だけではあるまい。
ソレールが長らく共演した、パコ・デ・ルシアのファルセータではじまるアレグリアスは
ウエルバの踊り手チョロ。
ラファエル風なのだが、回転ひとつとっても身体の使い方が今ひとつで残念。
また、後ろをみて踊りすぎるのもどうだろう
©Luis Castilla/Bienal de Flamenco
伝統的な振付けで踊る。
この人のまなざしの色気といったらどうだろう。
肩越しのまなざしのつややかさ。
©Luis Castilla/Bienal de Flamenco
カホンやパーカッションのソロ
名曲「レジェンダ・デル・ティエンポ」のイントロではじまるブレリア
そしてロマンセ風のソレア・ポル・ブレリア。
ベストを途中でぬぎ、白いシャツに黒いズボンという、
これまたある意味、伝統的なフラメンコ衣装で踊るラファエル。
何をしても格好いい。
最後は音を消したソレールのビデオにあわせて踊るラファエル
歌うフアン・ホセ。
二人の目にも涙がうかぶ。
マヌエルの魂はラファエルのバイレの中に息づいている
でもしかしほんとうに
マヌエル、あなたに会いたいよ
21時ロペ・デ・ベガ劇場ではエスペランサ・フェルナンデス公演
©Luis Castilla/Bienal de Flamenco
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