2010年10月4日月曜日

イサベル・バジョン「エン・ラ・オルマ・デ・スス・サパトス」

©Luis Castilla/Bienal de Flamenco

音のない真っ暗な舞台にうっすらとみえてくるバタ・デ・コーラ
そのうしろで、後ろ向きで
上体だけで踊るイサベル。

意外なオープニングではじまった
「エン・ラ・オルマ・デ・スス・サパトス」は
この一種不思議な雰囲気をもった振付けのフロレンシオ・カンポスをはじめ
続くグアヒーラはフェルナンド・ロメーロ、
ワンピースにハイヒールで自由に踊る「ハスミン・カルサブレ」は
ルベン・オルモ、と3人の振付家の曲を踊る前半と
彼女自身が振り付けた曲の後半にわかれる。

アバニコのグアヒーラも
軽やかな「ハスミン・カルサブレ」も
美しく心地よいがやはり圧巻は後半。

チャノ・ロバート、マリオ・マジャ、マティルデ・コラルの声が
ラジオのようにきこえてはじまり
まずはタンゴ。
トリアーナのタンゴを歌い踊る
その粋なこと。
ちょっとエロティックな振りさえも上品で
コケティッシュで
セビージャらしい愛らしさとワルな感じで
客席から何度もオレ!が飛んだ。
続くガロティンは帽子をかぶらず
でも帽子をもっているような振りが
これまためちゃくちゃ粋で素敵で
途中でリズムのアクセントが変わり
またガロティンに戻ってくる音楽も面白い。
スカーフで髪を覆い、平べったいカラニェ帽をかぶって踊るセラーナ
伝統的な要素をうまく今のフラメンコにいかしている
最後は白いバタ・デ・コーラでのアレグリアス。
優雅で華やかで女性らしく
まさにフラメンコの華!

イサベルのフラメンコに影響を与えた、
マティルデ・コラル、チャノ・ロバート、マリオ・マジャの声がきこえてくる
フラメンコはこうして世代をこえて伝わって行くのだ

極上のフラメンコをみせてくれたイサベルに乾杯!

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